日本に古来から伝わり、国の選定保存技術に指定されている檜皮葺・杮葺・茅葺の植物性屋根を主に施工している会社です。厳島神社や出雲大社など、全国の神社仏閣の屋根を手掛けており、丹波市では柏原八幡宮を施工しました。
●屋根の種類と技法
伝統的な工法の屋根には
[植物性]→・檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)・茅葺(かやぶき)
[金属製]→・銅板葺(どうばんぶき)
があります。
檜皮葺(ひわだぶき)は檜の外樹皮を使用。杮葺(こけらぶき)は椹(さわら)や杉、栗などの材を小割りにした柿板を使います。また茅葺(かやぶき)は植物の茎を使って屋根形状を形づくっていきます。金属の銅板葺(どうばんぶき)は銅を薄くした板を用い、独特の色調変化を持つ美しい屋根に仕上がります。
(葺き替えは約35年~40年ほどの周期で行っています)
いずれも時代を経て、日本人の繊細さや職人の技巧が合わさって現在の曲線美ができあがりました。その屋根葺技術は、2020年にはユネスコ無形文化遺産に認定されました。
屋根づくりはまず、近畿地方を中心に全国の500haほどある国有林から材料を採取。樹齢80年~100年以上の木から立木のまま皮を取っていきます。
色々な形に整えていく皮切り作業の様子。丸皮一束30kg、五束(約150kg)で二畳分ぐらいの屋根が葺けるとのことです。
●後世に繋げていくために
代表の村上 英明さん。
他社と合同で見学会を行ったり近隣の小学校をまわるなどして、多くの人に屋根葺を伝える活動も行っています。この技術を多くの人に知ってもらうことで伝統技術を守ること、後世に繋がっていってほしいと、小さな活動をコツコツと積み重ねていくことを大切にされています。