八百材舎(やおざいや)BASEでは、多くの人に森づくりの実際を体験してもらえるようなワークショップ、取り組みを行っています。また山の資源を活用し、資源循環につなげていくため、森づくりに関する地域の情報発信にも力を入れています。
●八百材舎BASEってどんなところ?
約5ha(ヘクタール)の山林とその周辺には、ロッククライミングができる大きな岩場、山の中を散策できる道、木漏れ日が気持ちいい林間デッキ、アロマの蒸留体験ができる蒸留施設などが整備され、麓の小屋では講座・ワークショップなども開催しています。
森づくりというと、「何か知っていないといけないんじゃないか?」「専門知識が必要なのでは?」とハードルが高く思われがちですが、ノコギリ1本でも色々なことができます。まずは「面白そう!」「体験してみたい!」「興味がある!」という気持ちを入口にしてもらえたらと、代表の内田さんは考えています。
●八百材舎BASEのワークショップの特徴
開催しているワークショップは、森の樹木や草花などを使った草木染めやアロマ蒸留の体験、虫探しの他、荒れた山林空間を自分たちで整備し、新しいアクティビティーが楽しめる空間にする、などさまざまです。こうしたワークショップを通じて、参加者の皆さんは丹波篠山の自然に楽しみながら触れることができ、同時に里山の現状や課題を知る機会にもなっています。
参加者は主に、阪神間や大阪の、“街”に暮らす人。主婦グループ・サークル活動をしている学生団体・アウトドアアパレルのスタッフ・コーヒーショップのスタッフ・フリースクールの生徒さんなど、実に多種多様ですが、誰もが「自分で木を切ってみたい」という気持ちを持っています。木を切る体験は街の人にとっては非日常ですが、実際に丹波篠山に来て山に入り、木を切ることで、それまで遠い存在だった「山や森」が、ぐっと身近に感じられるようになり、「また来たい楽しい場所」として記憶に残ります。
●八百材舎BASEが目指す“循環型の森づくり”
八百材舎BASEでは、すべての資源を無駄なく使い切る、“循環型の森づくり”を目指しています。その思いを象徴する取り組みが、事業者と提携して森の資源を活用する「konomori(コノモリ・丹波篠山森の恵みプロジェクト)です。
山の木を材料に精油を蒸留し、その際にとれる芳香水をクラフトビールに使用し、さらにその残渣を草木染めや堆肥作りに活用するなど、森の恵みを最後まで循環して使い切る取り組みで、商品の売上金の一部は山林整備のために寄付され、植樹などの費用に当てられています。
●美しく豊かな里山を未来に残すために
代表の内田さんは、神戸市と丹波篠山市の2拠点生活をしながら、地方の山林に関わる都市部の人(いわゆる関係人口)を増やしたいという思いでこの活動をされています。美しい里山を将来に残し、次の世代へと繋げていくために必要なことは、まずは遊ぶように楽しみながら、山の課題や管理について知ってもらうこと。そのためにも、八百材舎BASEでは山のハードルを低くして、できるだけ多くの人に足を運んでもらえるようなコンテンツを発信していきたいと考えています。